着物の虫干し(むしぼし)ってしたことありますか?
ドキっとしたあなた!着物は何年タンスで眠ってますか?
本当は定期的に着てあげることによって、空気に触れさせてあげるのが一番いいので、頻繁に着る場合は虫干しなんてしなくてもいいと思うんですけど…、なかなかそうはいきませんよね。
でも、絹の着物って結構カビが出やすいんですよ。
着物につくカビは、湿気・人間の汗や皮脂・ホコリとかを栄養にして成長するそうです。また、絹の場合はそのもの自体が動物繊維のため、そもそもカビさんの好物のようです。
お気に入りの着物を出してみたら、カビ臭い!っていうことないですか?カビは一旦出ると、タンスやクローゼット全体に広がりかねないので注意して保管したいですね。
mamakoが以前、着物のお手入れの会社に勤めていた時も「カビが出てしまった」というご相談はほんとに多くて驚きました。もちろん目に見えて、カビるんるん(白いホワホワ)が付着しているものも多く拝見しましたが、黄ばみや茶色いポツポツがあるもの、これもカビが出た証拠です。
そこで時々やってほしいのが虫干しです。
聞いたことはあるけど、どうやってやるの?っていう方もいると思うのでご紹介します。
【着物を虫干ししよう】
1.季節はいつがいい?
虫干しっていつがいいと思いますか?
一般的には、土用干し(梅雨明けの7月末~8月)、虫干し(10月末~11月)、寒干し(1月~2月)と言われていますね。
土用干しは梅雨があけたからこそ、そこでたまった湿気をとっちゃいましょう。寒干しは最も乾燥するタイミングで湿気を抜いちゃいましょう。ということですね。これは洋服でも同じですね。
虫干しに最適なのは、湿度が高くなくて、2~3日お天気がいい時です。湿度が高くないといえば秋頃。お住まいによって多少差はありますが、関東圏在住のmamakoのオススメは10月中旬~11月と4月下旬~5月初めです。
梅雨に入ってしまうともちろんダメだし、夏もジメジメ暑いし、結構台風も多い気がします。そのまま9月~10月の初め頃まで台風シーズン。12月以降はからっとはするものの寒い!
もちろん、一般的な日程で年に3回出来たら一番いいんですけど…
ちょっとめんどくさくないですか?着物大好きとは思えない発言!! もちろんやらないよりやった方がいいので、できる方は年に3回やってみてください(笑)
mamako同様、「私ずぼらです」っていうあなたは年に1回、10月中旬~11月にやりましょう。年に2回ならがんばれるかも、というあなたはゴールデンウイーク前後、外へ出ると、暑くもなく寒くもなく、ちょうど気持ちのいい気候だね~っていう時期にやりましょう。
ゴールデンウイーク前後は10月中旬に比べると湿度は高いですが、mamakoとしては暑いときも寒いときもやりたくないし、気持ちいいなぁ~というお天気だとやる気も出ます! あとで書きますが理由もあります。
2.どんな日がいい?
さて季節がわかったところで、どんな日がいいでしょう?
湿度って、お天気がよければ低いってものでもないそうですね。前日やその前、もしくは明日以降が雨の予報だったりしないですか?飛行機雲がよく見えるときは、大気中の湿度が高いって言いますよね。お天気予報を確認しましょう。
できれば2~3日雨が降っておらず、明日も雨でない予報だといいです。
どうしても難しい場合は、除湿機や除湿剤を置いたり、できるだけ空気を入れ替えて工夫してみてください。新聞紙をまるめて置くのもいいって言いますよね。
目的はとにかく、湿度が高くない状態をつくりたいということです。実施直前まで換気しましょう。
3.何時にやる?
湿度って一日の中で、高低差があるそうです。
季節や地域にもよりますが、基本的には10時以降~15時頃までが低い時間帯です。なので、午前中にできるだけ換気をしておいて、13時頃から1時間くらいやるのはどうでしょう。干すのは1時間くらいでいいと思います。
あまり長い時間着物を干すのも、※着物が袋になってしまうのでおすすめできません。
4.どうやって干す?
「昨日着物干しました!」っていう方に詳しく話を聞いたら、洗濯物のように外の物干しに干した、というのを聞いてぞっとしたことがあります。
着物は紫外線にも弱いので、お天気が良くても太陽にさらしてしまうと色ヤケや変色の原因になります。外干しはNGです。しっかり換気されたお部屋で、できるだけ直接日光が当たらないよう陰干しをしましょう。
しっかり生地全体をのばしてあげられるように、着物用のハンガーを使うことをオススメします。できれば着物を裏返してあげるといいですね。湿気は内側にこそこもります。また、着物だけでなく帯や小物も一緒に干してあげるといいですね。mamakoはタオル掛けハンガーラックを使って干してますよ。
少し離れたところから扇風機などで風をおくってあげるのも効果的ですが、直接着物にあてるのではなく、空気を循環するために回してみてください。
もし着物を裏返した際に裏地が茶色くなっていたら要注意です。
全体的に同じ色で変色している場合は生地の経年劣化なので、そんなに気にしなくてもいいですが、ポツポツと茶色い場合はすでにカビが出ている可能性が高いです。状態にもよりますが、心配であれば専門店に相談してみましょう。
5.着物をしまいます
着物を全体的にチェックします。汚れやほつれはないでしょうか? 染みは出ていないでしょうか?
ちょっと余談ですが、時々仕立てた際に付いてくる’しつけ糸’をそのままにされている方がいらっしゃいますが、これはオススメしません。糸だけ先に劣化して、そこから染みが付いてしまうことなどもあるからです。まだ着ていない着物でもしつけの糸はとってあげてからしまいましょう。
チェックに問題がなければ、しわがないようきれいにたたみましょう。
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着物がたためたら、たとう紙などに包むと思いますが、たとう紙にも染みや変色が出ていないか必ず確認をしてください。古いたとう紙はこの機会に買い替えましょう。
たとう紙の変色はタンス内の環境状態を教えてくれます。せっかく虫干しをしたら、たとう紙も新しいものにして湿気を吸った古いものは引退させてあげましょう。
また、乾燥剤が古くなってないか確認してほしいです。もし置いていない方はこれを機に用意してみてはいかがでしょうか。タンス用のものも販売されているのであるのとないのとでは全然違いますよ。
mamakoが虫干しをゴールデンウイーク前後にオススメする理由は、梅雨に入る前に乾燥剤を入れてあげたいからです。これからの梅雨に備えて事前準備をしておけば心配ありませんね。
いかがでしょうか。
できるだけたくさん着てあげて、虫干しが必要ないくらいタンスを開け閉めしてあげられるといいですね。決して着物タンスが開かずの扉になりませんように。。。
何もかもめんどうなあなたはお金で解決、専門店にお願いしちゃいましょうね(笑)